焦れきゅんプロポーズ~エリート同期との社内同棲事情~
海外営業部輸入グループの主任というポストに就く勇希は、今、ヨーロッパの高級食品会社との合同プロジェクトに関わっている。


昨今の『自分にご褒美』『プチ贅沢』の風潮に乗じて、ちょっと高級なデリカテッセン事業への新規参入、店舗展開……。
プロジェクト発足から半年。
ついこの間、ようやく食品会社との業務提携契約締結にこぎ着けたところだ。


これでやっと出店に向けて本格的に動き出すことが出来る。
このプロジェクトが無事に始動して軌道にのれば、会社の業績にも大きく貢献するだろう。
だからこそ、勇希が自分で言っていた通り、仕事に追われているのだ。


「葛西君、来年度の人事で、我が社創設以来、最年少で課長昇進するんじゃないかって噂だよ。同期一番の出世頭になりそうだよね~。ただでさえモテるのに、更に人気出そうだよね~」


人事部所属の佳代が、そんな裏事情まで匂わしてくる。


「……そんなこと簡単に言っちゃっていいの? 佳代」


ただでさえ情報漏洩問題に関して社会的に厳しい時代なのに。
咎めるように目を向けると、佳代はシレッと返事をした。


「だって智美も葛西君の昇格人事は期待してるでしょ? なんせ、来期の社長表彰有力候補だもんね?」


さすがに言い淀む。
営業企画部所属の私は、まさにその『社内表彰』の候補選別や調査、審査に関わる仕事もしている。
人事部の佳代には、その辺の情報も割と早く伝わるのだ。
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