焦れきゅんプロポーズ~エリート同期との社内同棲事情~
静かに、感情を抑えながらそう言う私は、親友の佳代から見ても『いつもと違う』決意を滲ませていたのかもしれない。
「……智美、本気……?」
さすがに佳代も眉をひそめて、私を窺うような声色で訊ねてくる。
私は一瞬だけ間を置いてから、うん、と大きく頷いた。
「ここらが潮時だって思えたから」
私の短い返事に、佳代は黙って何も言わない。
佳代はこの半年、何度も繰り返された私と勇希の喧嘩を知っている。
少なくとも、怒ってへこんでそして勇希の隣に戻っていく私の姿を、一番近くで見知っていた。
私が『本気』なら、無責任に止めるだけじゃいけないって思っているんだろう。
佳代のそんな反応で、私も改めて確信した。
本当は……怒りの衝動もあった。
ちゃんと冷静になって、一週間経って勇希が迎えに来たら、またいつも通り元の生活に戻るべきかもって気持ちもあったから。
「……この先一緒に過ごしたら、今以上に……お互いの存在がどうでもよくなっちゃいそうな気がするから」
苦いコーヒーを口にしながら、自分に言い聞かせるようにそう言った。
――うん。間違ってない。
何層も重なった深い深い地層の最下層に、まだ勇希への好きという気持ちが残っているうちに別れた方が、この六年間を嫌な思い出にせずに済むと思えた。
「……智美、本気……?」
さすがに佳代も眉をひそめて、私を窺うような声色で訊ねてくる。
私は一瞬だけ間を置いてから、うん、と大きく頷いた。
「ここらが潮時だって思えたから」
私の短い返事に、佳代は黙って何も言わない。
佳代はこの半年、何度も繰り返された私と勇希の喧嘩を知っている。
少なくとも、怒ってへこんでそして勇希の隣に戻っていく私の姿を、一番近くで見知っていた。
私が『本気』なら、無責任に止めるだけじゃいけないって思っているんだろう。
佳代のそんな反応で、私も改めて確信した。
本当は……怒りの衝動もあった。
ちゃんと冷静になって、一週間経って勇希が迎えに来たら、またいつも通り元の生活に戻るべきかもって気持ちもあったから。
「……この先一緒に過ごしたら、今以上に……お互いの存在がどうでもよくなっちゃいそうな気がするから」
苦いコーヒーを口にしながら、自分に言い聞かせるようにそう言った。
――うん。間違ってない。
何層も重なった深い深い地層の最下層に、まだ勇希への好きという気持ちが残っているうちに別れた方が、この六年間を嫌な思い出にせずに済むと思えた。