焦れきゅんプロポーズ~エリート同期との社内同棲事情~
週末を迎えた翌朝、佳代と一緒に出勤した。
勇希と暮らすマンションを別れ話を捨て台詞にして飛び出して、私を取り囲む空気は結構重苦しいはずなのに、私も佳代もそこには触れない。
実際、私が勇希と別れようが、佳代と私の関係にはなんの影響もないのだから。
通勤途中に交わす会話は、ランチに行ったり飲みに行ったりする時と変わらない。
朝からそれなりにテンション高く笑いながら歩いていたら、丸の内のオフィスビルにあっという間に辿り着いてしまった。
セキュリティの改札が見えて来て、私も佳代もほとんど惰性でバッグから入館証を取り出す。
先に顔を上げた佳代が、わずかに視線を横にずらして、「あ」と言って立ち止まった。
「え?」
並んで歩いていたのに、私の方が先に数歩進んでしまう。
他の社員の邪魔になるのを避けながら立ち止まって振り返ると、佳代の視線の方向に私も顔を向けた。
「あ……」
そして、そのまま口を閉じる。
再び歩き始めて私の隣に立った佳代が、ポンと肩を叩いた。
「葛西君、待ってたんじゃない? ちゃんと話しておいで」
「……」
勇希と暮らすマンションを別れ話を捨て台詞にして飛び出して、私を取り囲む空気は結構重苦しいはずなのに、私も佳代もそこには触れない。
実際、私が勇希と別れようが、佳代と私の関係にはなんの影響もないのだから。
通勤途中に交わす会話は、ランチに行ったり飲みに行ったりする時と変わらない。
朝からそれなりにテンション高く笑いながら歩いていたら、丸の内のオフィスビルにあっという間に辿り着いてしまった。
セキュリティの改札が見えて来て、私も佳代もほとんど惰性でバッグから入館証を取り出す。
先に顔を上げた佳代が、わずかに視線を横にずらして、「あ」と言って立ち止まった。
「え?」
並んで歩いていたのに、私の方が先に数歩進んでしまう。
他の社員の邪魔になるのを避けながら立ち止まって振り返ると、佳代の視線の方向に私も顔を向けた。
「あ……」
そして、そのまま口を閉じる。
再び歩き始めて私の隣に立った佳代が、ポンと肩を叩いた。
「葛西君、待ってたんじゃない? ちゃんと話しておいで」
「……」