半分のキモチ
三上はいつもと変わらない。
俺が不機嫌になろうが、機嫌が良かろーが、


こいつの性格に呆れながらも、一緒に居てくれることを今は素直に有りがたいと思う。
あのまま一人で居ても、イライラが増すだけなのは目に見えていたし。


三上と電車に乗り、二駅先の駅で降りた時
少し前にギターケースが見えた。


「あれ、裕介じゃね?」

「裕介?」

「一組の、おい。裕介」


三上の声でギターケースを持つ男が振り向いた。


「やっぱ、裕介じゃん」

「おっ、三上と清水じゃん。お前らこの駅だっけ?」

「ちげーよ。清水のストレス発散だよ」


三上はそう言って俺を見て笑った。


「清水もストレス溜まるのかよ」

「うっせーよ」

「そんなストレス溜まってんなら、今度俺らのライブ来いよ」

「お前、バンドやってんの?」

「克巳と一緒にやってんだよ」

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