半分のキモチ
「清水」


次の日、宮本が遠慮がちに俺を呼んだ。

振り返り視線を宮本に合わせると「昨日、ごめんね。ありがとう」
昨日叩かれた所がまだ少し赤くなっていた。


無意識に俺の手が宮本の頬に触れた。
驚いたような顔をする宮本に「まだ赤いな」と言うと「もう痛くないし大丈夫」と俺から逃げるように一歩下がった。


宮本の"大丈夫"ほど当てにならないことはない。

「泣かないから大丈夫」
「痛くないから大丈夫」

いつも一人で我慢して……


「そっか、」

「う、うん」


そう言って宮本は俺から離れて行った。


俺から離れる宮本の背中を視線で追ってしまう。
本当に大丈夫なのかと心配してしまう。

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