半分のキモチ
最近、気がついたことがある。
朝のHRにちょくちょく遅れてくる。
内履きが来客用のスリパになっている。


気がついたからと言って俺が声をかければまた「大丈夫」と笑うだろう。


朝、教室に入れば宮本の姿が見えない。

またかよ。

俺はそのまま来た廊下を戻り昇降口へ向かった。
宮本の靴はやっぱり下駄箱に入っている。

学校には来てる。
それなら教室にも来ないで何処に居る?

朝練から教室へ向かう奴に聞いても、宮本は体育館には居なかった。
保健室へ行っても誰も居ない。

その代わり、窓の外に向けた視線の先の焼却炉に宮本の後ろ姿を見つけた。
焼却炉の脇にあるゴミ置場の前に座っている。


アイツ、焼却炉で何やってんだよ。


宮本に気がつかれないように近くまで走り、そっと近づいた。

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