半分のキモチ
「うるせー奴だな」と苦笑いをしてりさに視線を向けた。


「あっ、そうだね」


わざわざ俺から宮本のことを説明してもおかしな話。
りさが話を振ってくるまで……


「俺らも戻るか」

「うん」

「早く日焼け止め塗らねーとマズいんだろう?」

「うん」


りさの腕を掴んで俺達の荷物が置いてあるパラソルへと歩いた。


りさは無言で歩く。
何かを考えているようにも見えたし、
落ち込んでいるようにも見えた。


パラソルに戻りりさが日焼け止めを塗る。


「あのさ、」

「ん?」

「愛子ちゃんって、愛子ちゃんだよね?」

「ん?」

「勇馬と同じクラスの……」

「あっ、あぁ」

「あのバンドの人達と仲良いんだ」

「仲良いかは分かんねーけど、克巳が居るからな」

「克巳?君……」

「克巳が宮本のことでも誘ったんだろう」

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