半分のキモチ
だけど、知らない奴が一人。


「マジで!良いよ!良いよ!じゃあ、清水と来なよ」


うん。
コイツは知らないんだから……


「あっ、今日さ。バンドの奴らと来てるから紹介しようか?奴らって言っても二人は先輩なんだけどね。こんな口聞いたらボコられるけど」


ニコニコ笑いながら……
  

「りさちゃんは愛子ちゃんとは友達?」


火種を蒔く。


「え?」


りさの顔が歪んで行く。
「あっ、知ってるけど」と小さく呟く。


「裕介、もう行くぞ。先輩達待ってるんだから遅いと怒られるぞ」


克巳が助け船を出してくれた。


「やべぇ。じゃあ、またね。チケットは清水に連絡するから」


この種は俺が刈ることになるのに、裕介はデカいイルカフロートを揺らしながら克巳と走って砂浜に消えて行った。

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