半分のキモチ
本当に残念だとは思った。
最後の文化祭で彼女と回れないなんて。


だけど、清水と彼女が並んで歩く姿を見なくて良いんだって、気持ちのどこかでホッとしてもいた。


常に二つの気持ちがある。
両極端にある気持ちはどっちも本当の気持ちだった。


だけど、口から出る言葉は一つ。
見られたくない気持ちは口に出せない。
叶わない気持ちは口に出せない。


午前中の片付けが終わり、午後からの子達が裏に入って来る。
簡単に店内の引き継ぎをして、私はかっちゃんが戻って来るのを待って裕介君のクラスへ向かった。


裕介君達のクラスの前には何人か列んでいて順番を待っていた。
受付には可愛い猫娘と、リアルにメイクしたゾンビ。


「リアル過ぎじゃん」


笑ってゾンビに話かけると「これ、2間もかかってんだぜ」と得意げに口元を緩めた。
リアルなゾンビの笑い顔に若干引きながら、可愛い猫娘に懐中電灯を渡された。
そして暗幕をめくりかっちゃんと暗い教室に足を入れた。


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