半分のキモチ
思いのほか暗い教室にギュッとかっちゃんの制服の袖を掴んだ。


「大丈夫だよ」


かっちゃんの笑った声に黙って頷く。


「裕介は何役かな?聞いても教えてくれねーんだよな」


私が怖がらないようにかっちゃんはずっと話していてくれた。
教室の中を迷路のように歩き、途中で大きな音が鳴ったり、生暖かい風が吹いたり。


もちろん、何体ものお化けに遭遇はしている。
だけど……


「ゆ、裕介君いた?」


キャーキャー叫び、お化けに遭遇するたびに目をつぶっていた私には裕介君が何のお化けだっか、それ以前に裕介君がいたことさえ分からなかった。


「最後の方にいたじゃん」


かっちゃんはゲラゲラ笑っている。


「は?最後の方に、いた?」

「いただろう。名前呼ばれたろ?」

「名前?呼ばれた?」

「宮本騒ぎまくってたから、自分の声で聞こえなかったんじゃねーの」

「……そうかも」

「なら、もう一回行く?」

「いや、もう行かない!喉痛いし……」

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