半分のキモチ
それを他人に文句を言われる筋合いはない。
それを他人に邪魔される筋合いはない。


たとえ、彼女のりさだとしても……
踏み込んで欲しくない場所がある。


「勇馬も行かなくちゃダメなの?」

「ダメっつーか、まぁ……クラス最後だからな」

「そうだけど……」

「何も心配すんなよ。正也だって行くんだし」

「そうだけどさ」

「ハメは外さねーし」

  
クラスでの卒業旅行が決まってから、毎日のように繰り返すりさとの会話。
りさが卒業旅行に俺を行かせたくないのは分かる。
いくら正也も来るからと言っても気休めにしかならない。
宮本も来る訳だし……


「最後だから……」


最後の思い出てなんだ。
もう関わることなんてないんだから、


モヤモヤと訳の分からない気持ちで悩むこともなくなる。
泣いてないかと気に病むこともなくなる。


本当に最後なんだ……


旅行の当日までりさの機嫌が良くなることはなかった。
だけど、りさには悪いけど、
今日は……今日だけは……


視界の隅に大きな荷物を抱え笑っている宮本がいた。


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