半分のキモチ
その力が俺の足を前に進めた。
宮本を探しにロビーに行くとソファーに正也が一人座っていた。


「正也、宮本知らねー?」

「あぁ?宮本のこと探してんのか?」

「ん、まぁ」

「そうか、宮本なら克巳と一緒だぞ」
 
「克巳と?どこ行った?」

「ん……あれだ。とりあえず座れ」


正也は自分の前のソファーに視線を向けた。


「座れって、探してるって言ってんだろう」

「座ったら教えてやる」


チッと舌打ちをして少しイラつきながらソファーに座った。


「そんな急がなくても30分ぐらい前だ」と二人が居なくなった時間を俺に告げた。


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