半分のキモチ
「……こんな寒いとこで何やってんだよ。旅行先で風邪とかありえねーだろう」

「そうだね。かっちゃんと少し話して。もう戻るとこだったから……」

「ふ~ん。そっ、」

「清水……どうしたの?屋上に来て……」

「中山が宮本が居ないって騒いでるから」

「あっ……京子に言って来なかったから」

「心配してたぞ」

「……ごめん」

「まぁ、俺は良いけど」

「……」

「……」

「……」

「克巳と話してたって何?」

「あ……うん。色々……思い出話的な感じ」

「そっか、」

「……あのさ」

「ん?」

「あの……」

「なんだよ」

「あっ、ちょっと待って」


宮本は俺に背中を向けて、両手を広げて深呼吸すると「よしっ!」と体ごと俺の方へ向けて、真っすぐ俺を見つめる。


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