俺様上司は溺愛体質!?

(問題ないって感じじゃなさそうだったけど……。関係ない……か。そうだよね、私はただの部下だもんね。)

 少しだけ寂しくなるが、真屋時臣は腕時計に目を落としたままふと思いついたように口を開いた。

「今日は金曜だな……。そうだ萩原。今晩あいてるか」
「えっ!?」

(今晩あいているかとはどういうことですか。ええもちろんいつだってあいてますけどあいていたらどうだというのですか。)

 動揺のあまり脳内が片言になった。



 ちとせの心臓が胸の中で激しく暴れまわる。
 普段は心の奥底に追い込んでいるのに、あの夜のことを思い出してしまう。

 彼の息遣い。
 彼の指。
 彼の唇……。

 もし今彼に触れられたら、私どうなっちゃうんだろう。


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