俺様上司は溺愛体質!?
生ビールの入ったジョッキを掲げた潤の音頭に、
「乾杯」
「カンパーイ……」
真屋時臣とちとせもグラスを合わせた。
「はー! 金曜の夜の生ビールうっま!」
砂糖菓子の顔に全く似合わない勢いであっという間に大ジョッキを飲み干してしまった潤は、
「すいませーん、生ビールおかわりくださーい!」
即座に二杯目を通りかかったアルバイトに注文する。
「もしかして酒豪?」
「まぁ、いくらでも飲めちゃうかな」
「そうなんだ……潤にはいつだってココア飲んでてほしかった……」
「なんだよサン○オかよー」
ちとせは隣の潤とお決まりのやり取りをこなしてから、テーブルの向こうに座る真屋時臣に目を向けた。
彼もまたジョッキ半分ほどを一気に飲んで、テーブルの上に置いていた。
「真屋さんもお強いんですか?」
「さあな。よくわからん」
「めっちゃ強そうだけど、とにかくジョッキの似合わなさはボクと張りますね」
確かに彼の手にはブランデーグラスが合いそうである。