俺様上司は溺愛体質!?

「いやいや、まだボクたち集まって十日じゃない。何にもわからないでしょ」

 なだめるようにちとせの肩に手を乗せる。潤は潤なりに真面目に励まそうとしたのだ。

 だがその瞬間、ちとせのなにかが決壊してしまった。

「たっ、たった十日だけでもわかりますもん……焦っちゃいますよ、だって私何にもないですから!……ううっ……ひっく……」

 ぽろぽろと涙がこぼれた。
 一度溢れた涙は簡単には止まらない。

「もうやだ……私なんか……」

 と、机に突っ伏してしまった。

 困り果てたのは潤である。

「やっべ、真屋さん、ちーちゃん、どうも泣き上戸みたいだよ? てかさ、さっきまでご機嫌で飲んでたのにいきなりにもほどがあるよー!」
「……知ってる」
「知ってるんだ?」

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