小話置き場
一日目はお昼の誘いもなく、結局先輩とは会わなかった。だけど一日くらい全然平気だった。
二日目も会わなかった。まだ大丈夫。案外イケるもんだ。
三日目は遠くで先輩を見かけた。一言だけ声をかけたい気持ちに駆られてしまったけど、ぐっとこらえた。
四日目、誘われて一緒にお昼を食べた。お別れするときちょっと寂しくなった。
六日目の日曜日、夜に電話した。よくわかんないけどこれが切ないって感情かと思った。
七日目、会わなかった。一日中楽しいことだけ考えた。
八日目、なんか心が重い。息が苦しい。里菜に『顔が死んでる』と言われた。
九日目ーー………
「いい加減会いに行けば?」
駅で私の顔を見て開口一番、チョコちゃんが言い放った。
「日に日に暗くなってんじゃない。そんな生気のない顔見せられるこっちの身にもなりなさいよ。鬱陶しい」
「アハハ、チョコちゃん毒舌〜」
「………うう………」
確かにチョコちゃんの言う通りだ。
五日目あたりから、明らかに病み始めている。今にも敗北の沼へと転がり落ちそうだ。