小話置き場
「どしたの、百合」
そう言って、目の前に後光を背負ったイケメンが現れる。まぶしい。目が焼かれそうだ。
「……あ、えっと……」
普通に見惚れていて反応が遅れた。先輩と目が合って、胸がギュッとなった。
「あの………」
「ねー汐見くーん。ここわかんないんだけどぉー」
やっと出した声は、先程私を見て顔をしかめていた女子の声に遮られた。
「おい、今はやめとけって」
「えー?こっちは勉強してんのに、空気読まずに来たのはあっちでしょ」
「まだつっかかってんの〜?いい加減認めてあげなよ〜」
「お前らウルセーって。あっちが何話してんのか聞こえねーじゃん」
先輩の後ろから、何やら話し声が聞こえてくる。彼は苦笑いして、「ごめん、騒がしくて」と謝って来た。
それを見たら、彼があの空間にちゃんと馴染んでいるということを実感してしまった。