小話置き場
「……きょ、今日、いいい一緒に帰れたりとか、し、しません……か……?」
おそるおそる、緊張しながら先輩の目を見て尋ねると、彼は少しの間驚いた顔をした。
そして、心底嬉しそうに…優しく、笑った。
「いいよ。帰ろ」
後ろの廊下で、女子のか細い悲鳴が上がる。他にも、廊下にいた人たちが息を飲む音がする。そして私の心臓が停止しかけた。
だからなんなんだその笑顔。
毎度のことながら可愛すぎませんか。
私やっぱりこの人好きだ。好き。好き。大好き。
好きすぎて胸が苦しい。目の前の人が愛しすぎて息がしづらい。
「ありがとう、ございます」
顔を上げて、彼の目を見る。
私の彼氏が、好きな人が、私を見つめている。私が好きだって目で。
………あ、ぶっ倒れそう。