小話置き場
「じゃあ、ま、また、放課後に」
息も絶え絶えに言った。先輩が『え、もう?』とちょっと戸惑った顔で見てきたけど、一度お辞儀をしてさっさと自分の教室へ戻った。
苦しい。
先輩が好きすぎてつらい。
私の方が、どんどん溺れていく。
*
「一緒に帰るの、久しぶりだね」
学校を出て少しして、先輩が言った。
彼の口から言われるとそのことを実感して、かえって寂しくなった。やだな。しんみりしたくないんだけどな。
「……そう、ですかね。久しぶりって言っても、一週間くらいですし……」
うわ。可愛くねえ!マフラーで口元を隠しながら、自分に呆れた。もっと言い方あるだろうよ……。
「……まあ、そうだね」
心なしか先輩の声量が落ちたのに気づいて、申し訳なくなる。
この人は、私のことが好きだ。
ちゃんとわかってるはずなのに、なんで上手く出来ないんだろう。