小話置き場



「じゃあ、ま、また、放課後に」


息も絶え絶えに言った。先輩が『え、もう?』とちょっと戸惑った顔で見てきたけど、一度お辞儀をしてさっさと自分の教室へ戻った。


苦しい。

先輩が好きすぎてつらい。


私の方が、どんどん溺れていく。







「一緒に帰るの、久しぶりだね」


学校を出て少しして、先輩が言った。


彼の口から言われるとそのことを実感して、かえって寂しくなった。やだな。しんみりしたくないんだけどな。


「……そう、ですかね。久しぶりって言っても、一週間くらいですし……」


うわ。可愛くねえ!マフラーで口元を隠しながら、自分に呆れた。もっと言い方あるだろうよ……。



「……まあ、そうだね」


心なしか先輩の声量が落ちたのに気づいて、申し訳なくなる。


この人は、私のことが好きだ。


ちゃんとわかってるはずなのに、なんで上手く出来ないんだろう。


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