小話置き場
「……せ、先輩は、勉強頑張ってますよね」
何か明るい話題!と考えて口からこぼれたのは、割と自分の首を絞めそうな発言だった。やっぱりマジもんの阿呆かもしんない、私。
「あー、うん。僕がっていうより、周りが頑張ってるけど」
へらへらと苦笑いで誤魔化した私をちらりと見てから、先輩はいつものクールな顔で言った。
「あはは、さすがですねぇ。あ、じゃあもしかして、今度の中間は結構余裕な感じですか?」
「何言ってんの。人に教えながら僕も勉強してるよ」
ニヤニヤしながら軽口を叩いたら、先輩はムッとした顔で返してくれた。
あ、これこれ。いつもの感じ。
よかった。先輩と普通に話せるじゃん、私!
「君は?ちゃんと勉強してんの?」
「してますよ〜。チョコちゃん先生にしごかれてます」
「へえ。あんまり寺田さん困らせちゃダメだよ」
「こ、困らせてないですよ!たぶん!」
慌てて否定したら、先輩は「たぶんじゃダメでしょ」と言って、私に小さく笑いかけた。
ああ、胸が痛い。私にだけときどき笑顔を見せてくれるって、ある意味悪魔の所業ですよ、先輩。