小話置き場
「途中ですぐ投げ出すし、雑談始めるし、僕に八つ当たりしてくるし。その絡み方もウザいしさ……」
彼の口からポロポロ出てくる言葉を、私は思わず口をぽかんと開けて聞いていた。
この人は、基本的に他人に興味がない。
彼が自分から出す話題に出てくる具体的な人物は、私と私の周り、あと松原先輩がほとんどだ。
こうやって文句を言うのは、それこそ松原先輩が絡んだ話くらいしかない。
汐見先輩にとって、他に不快なことや腹が立つことがあっても、大体は腹の内に収めてしまう。口に出して、私に話すまでに至らないことが多い。
だから驚いた。
この人は今、クラスメイトとのことを自分から私に話している。
先輩はそれから少しの間、この一週間ちょっとの放課後での出来事を話してくれた。
私の知らない名前もいくつか出てきた。嬉しいはずなのに、最後まで私は落ち着いた気持ちで彼の話を聞くことができなかった。
「……だから百合に教えてたときのほうが、よほど楽だったよ」
はあ、と先輩が小さくため息をつく。途中から内容があんまり頭に入ってなかったけど、慌てて笑顔を作った。