小話置き場
「た、楽しそうでいいじゃないですか」
今の、嫌味っぽくならなかったかな。大丈夫かな。
でもちゃんと本音だ。先輩がクラスメイトとなんだかんだ楽しくできてるなら、何よりじゃないか。
先輩は私の顔をちらりと見てから、なぜか訝しげに眉を寄せた。
そして、私の両頬をぐにっと横につまんだ。
「ウソの笑顔」
……え……。
彼の言葉に、表情が固まる。
汐見先輩は冷たい顔で、目を細めて私を見下ろしていた。
頰から手を離される。私は何も言えず、彼を見つめ返した。
「……さすがにそろそろわかってくるよ。君のごまかしの笑顔くらい」
「……………」
バレてる。頑張って笑おうとしてること。
言ってることは本音なのに、笑顔になりきれない。でも笑って話したいことでもあるんだ。これは本当なんだよ。
「ウソじゃ、ないですよ」
声が震える。先輩の目が見れなくて、うつむいた。私、こんなんばっかだな。