小話置き場
「僕に言いたいこと、あるんでしょ」
「…………」
「言いたくない?」
「…………」
少し迷って、こくんと頷いた。
先輩は小さくため息をついて、ふわりと私を抱きしめた。
「……さっきは君のことわかってきたって言ったけど、まだ全然わかってあげられてないね。ごめん」
先輩の手が、私の頭をぽんぽん撫でる。
私は苦しくなって、無言のまま彼の背中に手を回した。
ちがうよ。
先輩は、ちゃんと私のこと見てる。付き合う前と変わらず、私の表情を目で追ってくれる。
それに比べて、私はなんて浅はかなんだろう。自分が恥ずかしくなった。
私の愛情って、なんだかすごく独り善がりだ。
先輩のこと、なんにも考えてあげられてなかった。
ごめん先輩。
こんな彼女で、ほんとごめん。
*
十一日目。
まだカウントすべきか迷ったけど、私の心持ち的には先輩と会いたくなかったし、今日は十一日目だ。