ヴァイオレット
そんなことを考えているうちに、雅人さんが上京する当日になっていた。

私は久しぶりに駅前にきていた。

雅人さんはもう行ってしまったのかな。

雅人さんの姿はない。
あの歌声だって聞こえてこない。

雅人さん…

私はベンチの前で歌う雅人さんの姿を思い出していた。

初めて聞いたときから、私はもうあの歌声に囚われていたんだ。

私、雅人さんが好きだーーー

「すみれちゃん」

後ろから私の名前を呼ぶ声がした。


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