ヴァイオレット
「…雅人さんの、歌声が好きです」
これが今の私にとっての精一杯の告白だった。
「いつか新しい恋をしたら、素敵な恋の歌も歌ってくださいね」
雅人さんが失恋以外の恋の歌を歌うとき、私はどうしているだろう。
そのときもこうして雅人さんがベンチの前で歌っていて、私はそれを聞いているのかな。
それとも雅人さんは歌手デビューして、テレビカメラの前で歌っているかもしれない。
もっと有名になって、皆に雅人さんの声を聞いてほしい。
私の心からの思いだった。
でもそんな気持ちと裏腹に、
ずっとそばで聞いていたい、
この声をひとりじめしていたい。
2つの対極な気持ちが、私の心で交差する。
「うん、約束するよ」
そう言って笑った雅人さんの笑顔に、私は複雑な思いで笑い返した。
これが今の私にとっての精一杯の告白だった。
「いつか新しい恋をしたら、素敵な恋の歌も歌ってくださいね」
雅人さんが失恋以外の恋の歌を歌うとき、私はどうしているだろう。
そのときもこうして雅人さんがベンチの前で歌っていて、私はそれを聞いているのかな。
それとも雅人さんは歌手デビューして、テレビカメラの前で歌っているかもしれない。
もっと有名になって、皆に雅人さんの声を聞いてほしい。
私の心からの思いだった。
でもそんな気持ちと裏腹に、
ずっとそばで聞いていたい、
この声をひとりじめしていたい。
2つの対極な気持ちが、私の心で交差する。
「うん、約束するよ」
そう言って笑った雅人さんの笑顔に、私は複雑な思いで笑い返した。