課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜
「え……えーと。
 課長?」

 雅喜はそっぽ向いて返事をしない。

「あらー。
 課長さんは、シャイなんですねー」

「シャイっていうか。
 職場ではめちゃ怖いんですけど」
と言うと、笑いが起こる。

「その怖い課長さんと。
 ……っていうか、課長さん、お若いですよねー。

 その課長さんと、どうしてまた付き合うことになったんですか?」

「それはカラオケの帰りに……」

 言いかけた真湖の口を雅喜が手で塞ぐ。

「課長、あの釣り竿、欲しいんでしょ?
 此処はひとつ、話してしまいましょう」

 嫌だっ、と雅喜は主張する。

 レポーターは笑い、言った。

「課長さんは本当に恥ずかしがり屋さんなんですねー」

 恥ずかしがり屋さん……。
 そんな可愛らしい名称でこの人が呼ばれるの、初めて聞きましたよ、レポーターさん。
< 93 / 444 >

この作品をシェア

pagetop