運命の恋、なんて。
「通いたいけど…やっぱり、帰らないと」



「そういうと思った。わかってたから、言ってみた」



「イジワルだね…」



「なんか、そう言って欲しそーだったから。どーした?カラオケ、楽しかったんじゃねぇの?」



あたしの顔をのぞき込んでくる。



「楽しかったよ。みんなで将来の話になって…あたし、なりたいものがないなって。それで落ち込んでたの」



正確には、ノンちゃんたちにウソをついてしまったことも含むけど。



「そんなの、決まってるやつの方が少ないんじゃね?」



「そうかな…みんな、しっかり自分を持ってた。八雲くんだって、そうだよね」



「あー、俺はただガキなだけ」



「そうかな。しっかりしてるからだよね」



そう思ってたんだけど、違うの?



「全然。子供のときの夢を、ずっと持ち続けてるだけ。生き物が好きで、突きつめていったら、たまたまここにいた…っていうか」



「子供のころの夢…それもすごいよね」



「そーかな。先のことはわかんねーけどな」



好きで、そういう道を選べたんだね。



「胡桃ちゃんは、なにか見つけなきゃって思ってる?」



「うん…なんで、ないんだろ」



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