運命の恋、なんて。
また、落ち込む…。



「それはそれで、いいと思う。やりたいことって、無理して見つけるもんじゃないし」



確かに、そうだよね…。



「そうなのかな」



「なるようになるって。今はそういう時期なんじゃねーの?」



「そういう時期…」



「色んな人と出会って、その中で自分の気持ちも変化していく。それから、考えればいいのかも」



あたしは、人生経験が足りないよね。



お母さんに束縛されてるって言っても、色々用意してもらっている中であがいてるだけ。



選択肢がないにも関わらず、がむしゃらに頑張っている人が世の中にはたくさんいるはずなのに。



贅沢な悩み…なのかな。



八雲くんや周りの友達が自分の道を見つけて、それに向かって頑張る姿を見たら…なにも夢がない自分を、無意識のうちに恥じていた。



夢がなくても、いいんだ。



今は、そういう時期。



「あ、心が軽くなった」



「あんま、考え過ぎんなって。胡桃ちゃんは、すぐ落ち込むからな」



「そんなこと、ないですー」



「顔に出るからわかる。今度はまた、家に帰りたくないってごねるんだろ?」



「ごねないよ!」



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