運命の恋、なんて。
「帰ろう…かな」



なんだか居づらくて、遂に出てきた言葉はそれ。



「もう帰る?送ってこーか」



お母さんが睨むって言われたら、それもなんだか申し訳ない。



今日はまだ遅い時間じゃないし、ひとりでも平気。



「ううん、大丈夫だよ」



「そか。またなー」



ソファでバイバイと手を振る八雲くんに背を向け、そのままヤスくんの家を出た。



寂しい…。



会ってたのに、全然楽しくなかった。



なんだろう、このポッカリと穴が空いてるような感じ。



自転車に乗ろうとしていると、家の中から八雲くんが出てきた。



もしかして、気が変わった!?



玄関先まで送ろうと思ったのかな。



嬉しくて、笑顔になる。



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