同期がオトコに変わるとき
「こんな遅くに誰だろう?」
スコープから外を覗くと、男性のような人影が見えた。
「・・・どなたですか?」
ドア越しに訊いてみると「俺だ」と言う声が聞こえてきて、胸がドクンと跳ねる。
「ま、真辺?」
「そうだ。開けろ」
「何しに来たの??」
「藤崎に用があるんだよ、開けろ。早く開けねぇとここで騒ぐぞ」
言い方がとても切羽詰まった感じで、本当に騒ぎ出しそうだ。
「ま、待ってよ。近所迷惑になっちゃう。今開けるから!」
開錠してドアを少し開けると、ぐっと大きく開かれて真辺が滑り込むように玄関に入ってきた。
「こんな時間にどうしたの。何の用?」
私を見る真辺の表情は神妙で、さっきまでの勢いが減っている。
「遅くに悪い。上がっていいか」
「・・・ちょっとだけなら。どうぞ」
ソファに鎮座するウサギのぬいぐるみを退かして、真辺に座るのを進める。
私は、ベッドのそばに座った。
「用って、何?」
「藤崎を止めに来たんだ。いいか、見合いをするな」
「な、いきなり何を言うの?真辺には止める権利ないでしょう?」
「確かにそうだ。俺に権利はない。だから作りに来た」
「作るって、どうやって?意味が分からないよ」
「お前、俺の気持ち分からねぇの?」