同期がオトコに変わるとき


「こんな遅くに誰だろう?」


スコープから外を覗くと、男性のような人影が見えた。


「・・・どなたですか?」


ドア越しに訊いてみると「俺だ」と言う声が聞こえてきて、胸がドクンと跳ねる。


「ま、真辺?」

「そうだ。開けろ」

「何しに来たの??」

「藤崎に用があるんだよ、開けろ。早く開けねぇとここで騒ぐぞ」


言い方がとても切羽詰まった感じで、本当に騒ぎ出しそうだ。


「ま、待ってよ。近所迷惑になっちゃう。今開けるから!」


開錠してドアを少し開けると、ぐっと大きく開かれて真辺が滑り込むように玄関に入ってきた。


「こんな時間にどうしたの。何の用?」


私を見る真辺の表情は神妙で、さっきまでの勢いが減っている。


「遅くに悪い。上がっていいか」

「・・・ちょっとだけなら。どうぞ」


ソファに鎮座するウサギのぬいぐるみを退かして、真辺に座るのを進める。

私は、ベッドのそばに座った。


「用って、何?」

「藤崎を止めに来たんだ。いいか、見合いをするな」

「な、いきなり何を言うの?真辺には止める権利ないでしょう?」

「確かにそうだ。俺に権利はない。だから作りに来た」

「作るって、どうやって?意味が分からないよ」

「お前、俺の気持ち分からねぇの?」


< 29 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop