E・N・M・A~えんま~
「…いいよ、教えてあげる」
ポツリとこぼすように愁は呟いた。
「え…?」
「なぜ『閻魔』に似ているかーー」
愁がジッとワタシを見つめている。今までの態度とはうらはらな真剣なまなざしだった…。
「閻魔を、知ってるの?」
少しの沈黙のあと、愁は長めの前髪をかき上げた。
「ーーオレはね、閻魔が二度も殺した『竜神』の末裔…まあ、子孫にあたる。
閻魔は…オレにとって、親の敵(かたき)も同然で…恨んでいるよ。
んで、なぜ閻魔にそっくりなのか…。
多分、ヤツの顔を忘れない為に自然とこんな姿になったんだろうね」
愁は、まくっていたシャツを下ろしながら言った。
なんとなく腑に落ちない気もしないでもない。
閻魔の顔を忘れないために、その同じ顔になれるものなんだろうか。
なれたとしても、ワタシだったら憎い奴の顔と同じ顔になど絶対になりたくなどない。
鏡を見るたびに。
本当なら顔も見たくないほどに憎いというのに、そのたびごとに身が張り裂けそうな辛い思いをしなければいけないのだ。