真っ白のラブレター

「そうなのよ。預かっていた小犬が家を飛び出したから、探しに行くとか言って。止めても聞かないでしょ、あの子頑固だから。すぐ帰ると思うわ。帰ったら電話するように言うわね」


今、この地域は台風の暴風域に入っている。
こんな時に出かけるなんて、いったい何を考えているのだろう。
窓がガタガタなるほど、ものすごい風が吹き荒れている。

穂風の母親ものんきな人である。
もちろん止めても聞かないのが穂風なのだが。


歩はレインコートをはおると、慌てて穂風の家に向かった。
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