真っ白のラブレター

歩がひっぱり上げてくれるまで、穂風はぬかるんだ地面に座って、呆然としていた。

歩に支えられて、やっとのことで立ち上がると、とぼとぼと歩き出す。


その時、クーンクーンと甘えた泣き声が、かすかに聞こえた。


「あっ、スタンプ!」


穂風が声のする方へ走って行く。

すると、大きなケヤキの根元に、スタンプがちょこんと座っていた。


「良かった、ここにいたんだね」


スタンプを抱き上げて、穂風は頬ずりする。
歩はそんな穂風をほっとして見ていた。



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