真っ白のラブレター

しかし、当の歩は、ありがとうでもなく、何か考えているようだ。


「どうかした?」

明らかに様子がおかしい歩に穂風が顔を近づけると、歩が慌てて身を引く。

「いや。俺、忘れ物」

「えっ?何を?」

「えーと、ラケット。ちょっと、取ってくるから、俺の鞄頼む。門の辺にいてくれ」


そう言うと、歩は部室に向かって走り出した。


「ねえ、歩。ラケットなら、鞄に入っているみたいだけど、ほら」

穂風はチャックからはみ出したテニスのラケットを指差して見せた。


歩は頭をかきながら戻ってくる。
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