真っ白のラブレター

「うそつけ。無理して笑ってるくせに」

「何のこと?」

穂風の声はどんどん低温になっていく。


「わざと、元気な振りしてるだろ」

「そんなことないわよ」


穂風はキッと歩を睨んだ。


「好きだったんだろ、中谷のこと」


歩は眼下に広がる町に目をやりながら、さらりと言う。


「何言ってんの。違うわよ、ただ憧れていただけよ」


だんだん語気が激しくなる穂風とは対照的に、歩の口調はどこかとぼけている。
< 44 / 108 >

この作品をシェア

pagetop