真っ白のラブレター
「自分の気持ち、否定してたら、ずっと抜け出せないぞ。涙は我慢したらいけないって、よく言うじゃないか」
「別に、我慢なんか…」
そうつぶやいた時、穂風の目が潤んだ。
頬を温かい涙が静かに流れ落ちていく。
歩は黙って、上ってくる太陽を見つめている。
穂風は何か嫌なことがあると、いつもこの楓の根に座って、眼下に広がる景色を見ていた。
風に揺れる楓の葉の音を聞きながら。
そんな時、歩は穂風の気がすむまで、黙って横に座っていてくれたものだ。