真っ白のラブレター

後輩が話したのは、穂風がすっかり忘れていた、文化祭の出来事だった。

穂風達の合唱部は文化祭の花形だった。
演劇部、月子のいるブラスバンド、そして、合唱部が、講堂で行われる舞台イベントの三本柱となっていた。

合唱部は県内でもそこそこの成績をおさめていて、文化祭では一般受けするPOPS中心の選曲だから、観客は多い。

「ほら、チケット持ってない人が来て、騒動になった時、天崎先輩が言ったでしょ。席が空いてるんだから入ってもらったらいいじゃないって」

「ああ、あったね、そんなこと」

穂風はやっと思い出した。

「あの時の人ですよ、笹田さん」

「うわー、まったく忘れてたよ」

「ふふ、先輩らしいけど、そういうの」

後輩に笑われて、穂風は頭を抱える。

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