真っ白のラブレター
「ところで、好きな人って、誰なの?」
いたずらっぽく光る月子の視線に、穂風はたじたじとなる。
「あ、あれは、ほら、えっと、その場のいきおい? 口からつい出ちゃって」
穂風はますます赤くなる。
「そんなふうには、聞こえなかったけどなあ。心に秘めた思いが出たっていう感じだったけど」
月子が顎に手を当てて、わざとらしく首をかしげる。
「そんなことないってば。ほんとに、必死で言い訳考えたんだから」
「そうそう、霜原君も穂風の好きな人が気になるみたいだったよ」
月子はわざと何気ないふうに言う。
「ええっ!歩も聞いてたの?」
「うん。私が引き止めたの」
「もう、やだ」
穂風はとうとう顔を手で覆う。
「いいじゃない、何でもわかりあえる、幼なじみなんだからさ」
「良くないよ」
月子はまた何か思いついたらしく、一人でニヤニヤしている。
穂風は、大きなため息をついた。