真っ白のラブレター

「本当のことだけ、言えば良かったんだ」

「彼女が傷つくと思って。それに、歩だってひどい男に思われるじゃない」

必死にうまい言い訳を探す。


「そんなこと、かまわないじゃないか。誰に何て思われようが」

無口な歩にしては珍しく、次々に言葉が飛び出す。

「ああ言えば、全てが丸く収まると思ったの。だから…」

穂風は口ごもった。


「収まるどころか、事態をよけいに悪くしているね」

切りつけるような歩の言葉が、穂風の胸に刺さる。

「悪かったわよ。そんなに、怒らないでよ」

穂風の声はだんだん弱々しくになっていく。

「だいたい、おまえが、あんな手紙受け取るから、いけないんだろ」

歩の攻撃は止まらない。

「ちょっと、待って。じゃあ、私が全部悪いの?」

さすがに、穂風も腹がたってきた。

「なんで受けとるんだよ、あんなもの」



「歩の気持ちを聞く前から、断れっていうの」

「そうだ」

「そんなこと、私にはできないよ」

「何で?」

歩は恐い顔で睨んでいる。

「彼女の気持ちが痛いほど、わかったから。どうしても自分で渡す勇気がないっていう」

「……」

歩はハッとして、穂風を見た。

「自分のことを好きだと言ってくれる人がいるなんて、素敵なことじゃない」

二人は食い入るようにお互いの目を見つめている。
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