悪魔な彼が愛を囁くとき

「イヤ、気のせいなんかじゃない。あいつと俺と話てるお前の態度は明らかに違う。むざむざ他の男に取られるぐらいならお前の気持ちを待っているなんて悠長な事言ってられないようだな」

「な、なんなんですか?」

「覚悟しろよ」

プニッと頬をつねられ意地悪笑う男の笑顔に不覚にもときめいてしまった。

「じゃあ、後よろしく」

と言って、何事もなく母家に行く店長。

おかげで休憩中、彼氏に振られた事も業者さんに食事を誘われた事も忘れて頭の中は店長でいっぱい。

あれはいったいなんだったんだ?

休憩が終わりアルバイトスタッフがやってくると、店長も奥から出てきていつもと変わらない態度に爽やかな笑顔でバイトちゃん達に挨拶しているからムカつく。

「凛…予約のお客の準備出来てるのか?」

「まだです。今から準備します」

「あぁん、予約の時間6時なんだぞ。何やってるんだ。さっさとしろ…」

いつもと変わらない冷たい口調に心の奥がチクッと痛い。

私のトキメキ返してくれ……

「俺、テーブルセッティングします」

バイトスタッフの男の子が手伝いを買って出てくれて優しさにウルっときたのに
あの男は…
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