悪魔な彼が愛を囁くとき
「もう…店長も素直じゃないんだから…困ったものね」
苦笑いの綾乃さん…
何が素直じゃないんだからですか?
首を傾げ不思議がる私の肩をポンポンと叩いて
「店長が苦手なのはわかるけど、彼は周りをよく見ているわよ。特に、凛ちゃんのことに関してわね」
「そうですよ。いつも私怒られてばかりですもん」
呆れた表情で私を見ている綾乃さんがボソッとつぶやいた。
「店長、頑張れ」
なぜに店長を応援する?
応援するなら店長に意地悪く毎日のように怒られている私を応援してよ。
失恋したばかりなんだし……
ぶーっと口を尖らせ膨れ面の私に
「泣き腫らした顔は社員としてプロ意識に欠けるけど、誰だって失恋したら悲しいわよね。新しい恋を探してみたらどう?以外と近くにいい男がいるかもしれないじゃない」
「泣き腫らした顔で失恋って決めつけないでください。もしかしたら、DVDの感動物で泣いたかもしれないじゃないですか?」
「人生の先輩を舐めないの。その顔を見ればなんとなくわかるんだから…」
ウフフっと笑う綾乃さんにイラっとくるも、そこは人生の先輩には逆らえない。
「そうですかね?新しい恋探してみます」