君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨
「…………」
祈るあたしの目の前で、亜里沙はちょっとの間沈黙していた。
そして素直に、あたしの手から缶コーラを受け取る。
「あたしも悪かった。ごめんね奏」
あたしは驚いて、マジマジと亜里沙の目を見つめた。
亜里沙は気後れしている様子もなく、ハキハキと謝罪の言葉を告げてくる。
「あたし、いつも言い過ぎちゃうんだ。しまったって思った時にはもう遅くてさ。悪気はないの。性格なのよ。ごめんね」
すっごいサバサバした顔で、いかにも亜里沙らしい言葉。
凱斗に対しても、拍子抜けするくらいあっさりと謝っている。
「あんたにもいろいろ言っちゃって、ごめん。ぜんぶホントのことだけどさ。事実なら何を言ってもいいってことには、ならないよね。一応反省してるから、あんたもあんまり気にしないでよ」
「藤森、お前なぁ……いや、もういいよ」
苦笑いした凱斗がチラッと視線を流した先には間宮君がいて、彼はこっちの様子を窺っている。
男ふたりで目配せし合い、満足そうな顔で小さく頷いていた。