君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨

「そうだ。めでたく仲直りした証に、ふたりとも学校終わったらあたしの家に来ない?」

 もうすっかりわだかまりを解いた笑顔で、亜里沙が誘ってくれる。

「いや、俺は遠慮するよ」

「遠慮なんかしなくていいから来てよ。てか、来なさい。あたしは病み上がりなんだから、家まで送り届けてよ」

 亜里沙らしい問答無用の口調に、凱斗も笑いながらうなづいた。

 放課後に生徒玄関で待ち合わせる約束をしてから、凱斗が小走りに自分の清掃場所に戻って行く。

 その背中を見送って、あたしと亜里沙は協力しながら急いで残りの掃除を片付けた。

 あたしたちの笑顔も、会話も、態度も、空気も、まったく元通り。

 あたしがあんなに言いにくかった『ごめん』を、あんなに簡単に言い切れてしまうなんて、これが亜里沙だ。やっぱり亜里沙はすごい。


 清掃を終えて、帰りのホームルームも済んで、あたしと亜里沙は一緒に生徒玄関へ向かう。

 そこで待っていた凱斗と合流して、亜里沙の家へと向かった。

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