星の砂 **海と空の秘密**
夜空に星はなかった。
月だけがぼんやりと見えていた。
幸せそうな雫と別れ、俊兄と空と海斗と私で、勝連家に戻った。
3人の空気は、やっぱり気まずいまま…。
俊兄はそれに気付かず、いつものように「真帆がぁ~」、「千帆がぁ~」、「美帆がぁ~」って、我が子の自慢話をしていた。
夜の海は少しだけ優しい。
静かな波の音が、私の心に安らぎを与えてくれる。
涼子さんの手料理を食べ終った後、食器を洗ってから、私は一足先に2階へ向かった。
電気を消したまま、下の段の海斗の布団に寝転がった。
もう上の段にのぼる気力さえもなかった。
そして、私はいつの間にか眠っていた。