29歳、処女。
私は目をあげて喜多嶋さんを見る。


スキがない、というのはどういうことだろうか。



逆に、スキがある服って?


色々と考えを巡らせた結果、

そこのソファの上に置いてあるミニスカートやスリットスカートのように、肌を露出させる服のことだろうと見当をつけた。


………いやいや、こんなの無理。

ぜったい無理。

恥ずかしすぎる!



すると、喜多嶋さんは胸元の大きく開いたカットソーを指差して、口を開いた。



「俺は別に、こういう、襟ががっぽり開いた胸の谷間が見えそうな服とか、そういうのを着ろって言うつもりじゃないんだよ」


「あ、そうなんですか」



ほっと息をつくと、喜多嶋さんが呆れたような顔になる。



「当たり前だろ。お前がこんな服なんて、着られてる感しかないに決まってる。レベルが高すぎるんだよ」


「………」



ごもっともなんだけど、言い過ぎだと思う。



「俺が言ってるのは、こういう服」



そう言って、喜多嶋さんはいくつかの服を手に取り、組み合わせてみせた。



「着てみろ」



Vネックの青いニットのカットソーに、ミニとまではいかないけど少し短い丈のスカート。


意外と普通だ、と私は安堵する。




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