逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
「式典の挨拶は五十年前の首席にやってもらう。で、締めの挨拶は十八年前の首席のお前だ。シンポジウムの進行は実行委員に任せるけど、コンサート関係はお前に頼みたい。俺、そっち関係には疎いし」
「わかった」
基にとって大学の同窓会はただの人脈作りの場だが、同時に自分が試される場でもある。任される以上最高の場にしなければならない。
そうやってあらかたの内容を打ち合わせしたところで、事務の女性がコーヒーを運んできた。
「ありがとうございます」
基はにこやかに微笑んで立ち上がり、わざわざトレーを受け取った。
顔を赤くしながら出て行く事務員の背中を見送りながら、太陽はコーヒーに手を伸ばす。
「基、そういうの叩き込まれてるんだな。まぁ、遠ければ遠い人限定なところはあるけど」
「意味わからんな」
テーブルの上にトレーを置き、熱いコーヒーを口に運ぶ様子は、どこからどう見ても完璧に隙がない。
「お前、欠点ある?」
「なんだよ、急に」