逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

「は?」


 耳を疑った。


「あの時のって……」
「お前とダンスを踊った美女だよ。俺は諦めたけど、美鶴がかなりご執心だったろ」


 やはり沙耶のことだ。

 確かに美鶴にはちょくちょく彼女のことを教えてくれとメールでせっつかれていたが、知らぬ存ぜぬで通していたのだ。


「探し当てたってどうやって?」
「それが俺も詳しく聞いたわけじゃねぇんだけど、街歩いてる彼女を美鶴が仕事中に発見して、一緒にお茶したとか、それから名刺渡して、デートだどうのって……まぁ、とにかくピュアラブなんだよ。お前も見習え」


 太陽はクスクスと笑いながら、学生の頃から女を追いかけたことのない基をひやかしたが、基は気が気でなかった。


(お茶、デート……。)


 クラクラする。ダメだ。吐き気がする。

 暗い、今日の天気に似た暗雲が基の心を覆い始めていた。



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