逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
「っ……!」
声にならない声で、沙耶は悲鳴をあげそうになったがなんとか堪える。
激しく混乱したが、こんなことをするのは、もちろん同じ部屋にいる基しかいない……。
おそるおそる振り返ると、まるで噛み付くような目で基が自分を見下ろしているのと、目が合った。
「な、なんですか……?」
ふざけているというには、その眼光はあまりにも鋭く、沙耶は息を飲んだ。
「俺を、馬鹿にしてるのか……?」
息をするのも苦しい、そんな眼差しで、基は沙耶を見据える。
「馬鹿に……って……」
(もしかして、私がデートの誘いについて、はっきり返事してないから……?)
若干やましさを覚えていたせいで、沙耶からいつもの反抗心が消えていた。
「……あの」