逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

 雨は変わらず降り続いている。
 結構な土砂降りだ。

 この調子だと一晩中降るのかもしれない。


(明日……どうしよう。ソルシエールではもう働けない……。でも謝りにはいかないと……。)


 そんなことを考えながら、アパートを出てすぐ、沙耶は固まった。

 道路に設置してある街灯の下に、基が立っていたからだ。


 最初はおばけかと思った。
 きれいな男のおばけが、街灯の下に立っていると思った。

 しかしよくよく見ればその男は、今日見た、基と同じスーツを着ていて、エール化粧品の社章をつけているのである。

 そしてぼんやりと傘も持たず雨に打たれていた。


「……なに、してるの」


 沙耶の問いに、基の視線がふらふらしながらさまよい、やがて沙耶をとらえる。


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